ポールドーセット種

 白い顔にピンクの鼻が可愛らしい、私にとってはもっとも羊らしい羊の顔。今この羊を茶路めん羊牧場の第二の羊として増やしていこうとオーストラリアから新しい血統を輸入しました。緑の草原にこの真っ白な羊が点々といる風景が自然になればいいなあと思い描いています。

 肉生産に適していて、繁殖季節(通常羊は秋に交配する)が長くて乳も良く出るので、出産の時期をずらしたり、いずれ羊乳で加工品を作ったりできるのではと期待しています。羊毛はサフォーク同様弾力のあるダウンタイプです。

 
サフォーク種

 黒いローマンノーズのマスクに黒い手袋とソックスちょっと高貴な雰囲気のある英国サフォーク地方原産の羊。現在日本の羊の7割以上を占めます。

 毛の利用価値がなくなって、羊が激減した後、食肉用としての活用に価値を求めて40年前に導入されました。大型で肉づきがよくて肉生産に適していますが、その羊毛は弾力性があって、空気をたくさん含むので布団綿やふわっとした毛糸に適したダウンタイプです。茶路めん羊牧場の布団や靴下の原料になっています。

マンクスロフタン種

 中には4本や6本もの角を持つ、スマートで小柄な、羊です。バイキングに起源を持つといわれるマンクスが北海を渡って英国のマン島で定着しました。羊仲間のスピナー百瀬正香さんが1枚のセントギルドツイードの生地の原点を求めての旅で出会い、ついには日本へと輸入するに至り、彼女が亡くなる前に私に託されて牧場へやってきた物語を持つ羊。

 肉も毛も生産性は劣るのですが、薄茶の柔らかい羊毛と野性味のある肉の味が特徴です。羊がカモシカの一種から始まった面影を残すその原点を思い出させる羊であり、わずか数頭しかいませんが何とか残していきたいと思っています。

チェビオット種

 オープンフェース(顔や頭に毛が無い)に耳がピョンと立ち、ちょっとウサギを彷彿させる羊。実際ジャンプ力があって脱柵の名人といわれます。子育てが上手で母性本能に優れており、出産後親子を入れておく囲いに人が近づくと前足を強く地面にたたきつけて、威嚇します。

 英国のチェビオット丘陵が原産で、羊を生息域に分けて山岳種・丘陵種・平地種に区別すると丘陵種にあたり、その健脚ぶりが納得できます。サフォークなどに比べて晩熟ですが肉も美味しく、羊毛はツイード生地にも使われます。茶路めん羊牧場では純血種はいなくなりましたが、交雑種として残っています。

ペレンデール種

ニュージーランドでチェビオット種とロムニーマーシュ種との交雑から作られた品種です。チェビオットの力強さとロムニーの生産性があり、羊毛はロングウールタイプで光沢があります。現在日本では純粋種がほとんどいなくなってしまいました。茶路めん羊牧場では純血種はいなくなりましたが、交雑種として残っています。

フライスランド種

 オープンフェースにピンクの鼻、ほっそりした顔が山羊ぽい英国原産の乳用羊です。乳用といっても肉も毛も十分価値のある多目的な羊で、羊毛は1頭1頭キャラクター(毛質)が異なります。多産で子育ても上手です。北海道美深町の松山牧場ではこの羊から乳製品も製造されています。茶路めん羊牧場では今後純粋種での維持は困難なので、ポールドーセットと交配させていくことになりそうです。

カラードシープ

 カラードシープとは文字通り有色の羊毛を持つ羊の総称で、スピナー(糸紡ぎする人)達からの要望も強いので、ある程度残すようにしています。

 元々羊は有色だったものを人間のニーズで白く改良されてきた歴史があります。糸や布を染めるには白いほうがよいからです。でもカラードシープの1頭ごとに異なる色合いがナチュラルカラーとして唯一の作品を作るスピナーの心を捉えるようです。茶路めん羊牧場ではチェビオット、シェットランド、ボンドコリデールといった品種が交じり合ったカラードシープがいます。(写真はシェットランド種の雑種です。)

ロマノフスキー種

 その名前からも想像できるようにロシアが原産の羊です。多産で周年繁殖が可能で、放っておくと年に2回出産することもあります。毛皮用種といわれ、ロシアではシューバーといわれる毛皮コートの原料になるようです。

 20年前にカナダから輸入されましたが現在は種の保存は困難になりました。この繁殖能力と極寒の大地で養われた力強さは遺伝資源としてはマンクスロフタン同様貴重なものです。

茶路めん羊牧場では純血種はいなくなりましたが、交雑種として残っています。

サウスダウン種

 なんとなくぬいぐるみが歩いているような雰囲気の羊。サフォークにも元々サウスダウンの血が入っています。小型ですが羊肉は肌理<きめ>が細かくさし(脂肪交雑)が入りやすい特色があります。羊毛は短いダウンタイプですが繊維が細く弾力と柔らかさを併せ持っています。

茶路めん羊牧場ではサウスダウンの純粋種はいませんが雑種が数頭います。(写真はサウスダウン種の交雑種です。)