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茶路のメルヘン

※潮 溢れる 処
潮が岩礁 に 溢れる
その むこう
水平線 を まあるく望む
小高い 丘 降り
海の口 ※チャロ川
川原の叢(くさむら) 雨降り花が 揺れている
チャロの流れ たゆたう
遡上ろうか ヤマセミの急降下
※クランボーは 死んだかい?
ヤ マ ナ シ は…
落ちて…くる? 橋 を くぐり
熊笹 したたる
畔の 淀み
青い空
茫と霞む平野に
点々 と 白と黒の  何か
動いて いるのか
羊たち! ゆっくり と
地球 とは別 の時間
を呼吸 して 消化 して
そこでは
羊 と よおく似た
男 と 女
が人間 の時間 とは少し
違う 時間 の中で
男 は ときおり 腑分けをし
女 は 糸 を紡ぐ
その 糸の 遥か 彼方
ひじょう に なつかしい
光景が 情景が
ゆっくり と行われて いる
空 には
あたりまえ のように
羊雲 が 点々 と浮かん で いる

■詩人 居酒屋「仔羊亭」主人 忠海 光朔(故人)より

  • 潮 溢れる 処…アイヌ語でシラリカ 白糠の語源
  • チャロ…アイヌ語で「口」の意
  • クランボー…宮沢賢治作 童話「やまなし」より